PHOTO OLD LENS

SHOOTING REVIEW

MD W.Rokkor 28mm F2.8での写真

SONY α7 , Minolta MD W.Rokkor 28mm F2.8 , 1/4 , ISO100 , Photo by Azami Miyayuki

Minolta MD W.Rokkor 28mm F2.8前期モデル

広角 単焦点レンズ

フルサイズで28mmといえば、標準ズームレンズの広角端として24mmとともに長らく使われている焦点距離です。APS-Cでも35mm換算で28mm近くになる18mmがよく使われているので、割と皆様馴染みのある画角だと思います。 大体視界に入るような物は全て写る画角で、それでいて、いかにも広角レンズって感じの強いパースなんかはあまり感じられない比較的使いやすい、悪く言えば面白みの無い画角です。 そんな馴染みのあって面白みの無い画角のこのレンズ、MD W.Rokkor 28mm F2.8は1970年代に発売されました。 このモデルはフィルター径が55mmの前期モデルで、後にフィルター径が49mmになり小型化した後期モデルが発売されました。 言うまでもないですが、135フィルム全盛時代のレンズだけあって、もちろんフルサイズ対応です。 せっかくフルサイズ対応ということなので、今回はフルサイズミラーレスカメラであるSONY α7シリーズで撮影してみました。 オールド広角レンズの選択肢としてこのレンズいかがでしょうか。

( 写真/文: Azami Miyayuki )

MD W.Rokkor 28mm F2.8での写真

SONY α7 , Minolta MD W.Rokkor 28mm F2.8 , 1/1250 , F2.8 , ISO200 , Photo by Azami Miyayuki

でも標準ズームレンズで馴染みがある画角からと言って、標準ズームレンズと一緒ではありません。 単焦点レンズですので、軽量コンパクト、そして明るいです。単焦点レンズは同じくらいのズームと同じくらいのグレードなら、構造がシンプルな分高画質なことがおおいです。 フルサイズでF2.8なため広角レンズでもよれば背景がそこそこボケます。

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広角単焦点レンズ

さてMD W.Rokkor 28mm F2.8はいかがでしょうか。
使ってて思うのは割と癖の無い素直なレンズと言う印象です。 絞ればそれなりに周辺まで解像しますし、開放でのボケも騒がしくなったりする印象はありません。 わりとオールマイティーなレンズとして使えるのではないでしょうか。

広角のオールドレンズはデジタルカメラで使用するとどうしても周辺の描写が甘くなりがちです。 これは当時の設計技術が今より発達してなかったからだったり、デジタルカメラと相性の悪い光学系だからだったりが大体の理由です。 その為周辺まできっちり写って欲しいという要望はオールドレンズにはなかなか希望できない要件です。 でも逆にそれがオールドレンズをデジタルで使う上の味付けになると思います。 現在のレンズはキットズームでも画像周辺まで結構よく写りますので、なかなか緩い写りというのは難しいです。 表現として中心に視線集中させるために周辺をぼかすという構図の技法がありますが、 ある意味オールドレンズはそういう技法を今のレンズと違う手法で実現するための良いツールだと筆者は思っています。